第3回ジュリアード音楽院声楽オーディション by IFAC
第3回ジュリアード声楽オーディション by IFAC 本選結果
IFAC・ジュリアード最優秀賞
中江 早希(なかえ さき)ソプラノ
竹多 倫子(たけだ りんこ)ソプラノ
Dr.Handa Encouragement Prize
後藤 春馬(ごとう かずま)バス
廣橋 英枝(ひろはし はなえ)ソプラノ
松原 陸(まつばら りく)テノール
2012年度の予選・本選の開催概要
開催日程
★関東予選
- 日時
- 2012年7月9日(月) ・10日(火)
- 会場
- 浜離宮朝日ホール
★関西予選
- 日時
- 2012年7月12日(木)
- 会場
- イシハラホール
本選 第一部 ─ ファイナル・ジャッジメント(ワークショップ)
- 日時
- 2012年10月15日、16日
- 場所
- TOKYO FMホール
本選 第ニ部 ─ ファイナル・ウィナーズ・ジャッジメント
- 日時
- 2012年10月16日
- 場所
- TOKYO FMホール
第1回IFAC・ジュリアード最優秀賞を受賞された大西宇宙さんが、今年ジュリアード音楽院声楽科に合格をされました。昨年、声楽の実力は高く評価され合格への切符をもらっていたのですが、語学力が一歩及ばず苦杯をなめました。捲土重来、彼は一年間ニューヨークへ語学の武者修行に行き、そこで英語力を磨きました。そして、再びジュリアード音楽院に挑戦し、見事一年越しの夢を手に入れました。
ごあいさつ
IFACとジュリアード音楽院共同による、この夢のようなオーディションが、今年もまた開催されますことを心から嬉しく思っております。
私がまだ日本で勉強していた時、ジュリアード音楽院は遙か遠くの存在でした。留学するということ自体も、半ばイメージだけで具体化せず、大学卒業後の先が見えず苦労していたのを覚えています。しかしそんな時に見つけたのがこのジュリアード音楽院声楽オーディションby IFACでした。
全国から優秀な声楽家を集め、その最終審査を衛星中継で日米同時に行う、という画期的なオーディションは、日本中、いやおそらく世界中どこを探してもそうないでしょう。
半田会長の「日本の若き声楽家たちに、ジュリアードで学ぶチャンスを」という熱い思いが実現させたこのプログラムは、私自身の人生にも大きな変化をもたらしました。そのような機会を与えてくださった会長には感謝の言葉が耐えません。
私もこの9月、念願が叶い、ジュリアードの学生生活をスタートしましたが、毎日が素晴らしい音楽家との出会いと、新しい発見の連続です。ジュリアードは、ご存じの通り世界屈指の名門校ですが、中でも声楽科は非常に総合的なプログラム、また世界稀に見る徹底したコーチ陣、そしてきめ細やかな学生に対するケアが施されています。ディクション・コーチは主にメトロポリタン歌劇場を始め世界有数の歌劇場の言語指導も担当するエキスパート、そして発声の指導には多くの世界的な歌手たちを輩出してきたベテランの声楽教師陣が、学生のベストの力を引き出しています。
オペラ・プログラムもアクティング、音楽、言語とそれぞれのエキスパートが学生をサポートし、唯一無二の舞台を完成させます。私は幸運にも、このプロダクションにソリストとして3つも参加させて頂くことが出来、今まさにその稽古の最中にいます。この機会により、私自身のキャリアや経験にも大きな一歩が刻まれることは間違いないでしょう。
ジュリアードへの道は長く、険しいものです。しかし私がそのプロセスで得たものははかり知れません。そしてこれから世界に挑戦される学生の皆さんにも、このコンクールをきっかけに、新たな展望とご活躍があることを心から望んでおります。そして同志である皆様とニューヨークでお会いできるのを、楽しみにお待ちしております。
受験者の皆様の幸運を心よりお祈りします。
大西 宇宙
日本の皆さんこんにちは、大西宇宙です。これから定期的に、皆さんに私のジュリアード音楽院での生活を、掻い摘んでご紹介できたらと思います。
今 月は、私のアメリカでのオペラデビューとなり、ジュリアード音楽院としてもアメリカ初演となったKommilitonen!(Young blood!)の公演が、大成功のうちに終了しました!このオペラはロンドンの王立音楽アカデミーとの共同制作で行われた企画で、学生だけで公演すること を想定して書かれた、学生に関するオペラです。オペラはフルオーケストラ、15人を超えるソリスト、合唱、ジャズバンド、マーチングバンドを含む大規模な もので、作品は去年作曲されたばかりの新作。「新しい物を積極的に作っていく」というアメリカ人ならではの創作的で意欲的な姿勢を、公演を通じて身を以て 感じ、また初演にソリストとして携わる重要さを学ぶ、非常に貴重な機会となりました。
NYタイムズにも、好意的な批評が載りました。私も写真にしっかり写っています(笑)
これが終わると、あっというまに2月と4月のオペラに向けたリハーサルが始まります。これらのオペラはロッシーニとモーツァルトの、いわゆる Masterpieceを扱うわけですが、演出も新しい形で作り上げていくわけで、ここでもアメリカのオペラ作りの現場に参加する身として、たくさんのことを学んでいきたいと思います。
二つ目の、写真に関してですが、最近カメラをこちらで所持しておりませんで、全く写真というものを撮っていないのですが、機会を見つけて撮りたいと思います。ちなみに、上の挨拶にも書きましたが、NYタイムズのReviewに私が載っている写真がございます。
あともう一点、リハーサル中の映像がありましたのでお送りします。少し画像が粗いのですが。。。
今後ともよろしくお願いいたします。
大西 宇宙