高校生国際美術展 4つの主旨
―開会式での半田晴久実行委員長のお話より抜粋―
1. 高校生に絞った美術展
高校生というのは大人の始まり。プロとして活躍している人たちは皆、高校生から能力、才能を発揮しています。ただ、芸術というのは、才能があってもチャンスがないと開花しません。
そこで、高校生に日本でも有名な上野の森美術館で賞を贈り、産経新聞・北海道新聞・静岡新聞・西日本新聞に発表してもらうことで自信をつけてもらいたいのです。
受賞した「自信と誇り」が、大きなチャンスに繋がって才能が開き、その結果、プロとして、書家としてやっていけるのです。
海外の13カ国の高校生も、日本に来て表彰されることによって、自信と誇りと可能性を自覚することができるのでしょう。
2. 審査の基準は、キラリと光る可能性を見いだすもの
通常の書道や美術の展覧会は、「上手な絵」を評価しますが、高校生国際美術展では、キラリと光る才能や可能性を観ます。
技術が少しぐらい足りなくても、バランスが若干悪くても、キラリと光る可能性や色彩感覚、物のとらえ方、表現の仕方、感性、絵から出てくる目に見えない気韻生動、その人の醸し出す「才能の芽」を大切にし、審査しているのです。
この美術展が、高校生に、芸術家として何が大事なのかを自覚してもらう啓蒙活動になっているのです。
3. 国際感覚を身につける
今年、海外の13ヶ国の高校生作品が集まり、日本にその13カ国の高校生を招きました。(アイルランド、イギリス、イスラエル、エジプト、オーストラリア、カンボジア、シンガポール、中国、ベトナム、ラオス、マレーシア、フィリピン、ミャンマー)
作品は、国によって違う「色使い」や「題材」があり、国と文化と社会を反映しています。
日本人は、主に日常生活で目にすることから絵を描きますが、国によっては、世界平和、核兵器の恐ろしさ、飢餓の恐ろしさを題材にしています。そのように、国によって感じ方が皆違うことを学んで頂きたい。
また、高校生は、人間の個性や感覚の目覚めていく「黄金の時間」ですから、それを養ってもらいたいです。
4. 生涯、芸術活動を続ける生き方をを学ぶ
親の環境、家の環境、経済の環境、思いどおりにいかないところで一生懸命、絵や書をやっている人は素晴らしいことです。画家や書家を含む芸術家にとって、妻や子供や環境、生活、経済、人間関係の葛藤というのは全部魂の栄養になっているのです。
高校時代に、大学時代に、どれだけ芸術家として生きていく心構えを学んだのか、それが大事です。
高校生国際美術展で入賞したことで、一生、絵や書、彫刻を忘れない、この受賞の思い出を大切に、死ぬまで芸術を忘れない人生を送って頂きたいのです。
国際文化交流ツアー
表彰式に先立ち7月28日には、上位入賞者と海外の受賞者を招いて一日懇親旅行がありました。小田原・箱根を巡るツアーの中で、各国の高校生が言葉の壁を超え、アートという共通の世界でお互い心の交流を図りました。日本の高校生も、初めのうちこそ英語での会話に戸惑ってましたが、最後には積極的に会話に加わり、国際交流を深めてました。
第11回 高校生国際美術展 アンケートより
●私も同じ高校生として、とてもよい刺激を受けました。あっと驚かされるようなアイディアに感心させられ、とても楽しかったです。ここで得られた経験を胸に、新たな作品作りに励みたいと思います。貴重な体験ありがとうございました。(10代 女性)
●エネルギッシュですばらしい技術のある作品ばかり!
名の知れた画家よりもエネルギッシュですばらしい技術のある作品ばかりだった。世界各国の高校生の作品を見ると、その国の文化がとてもよく分かる。(10代 女性)
●とても刺激を受けました!
全国の高校生たちの作品をこうしてまじまじと見ることが出来て、とても良かったと思います。それぞれのお国の良さが出ていて、味のある良い作品ばかりでした。そして、高校生ならではのアイディアがたくさんつまっていて、心から楽しませていただきました。(20代 女性)
●観てるだけで、気持ちが前向きに!
高校生と思って軽い気持ちで入りましたが、中に入って驚きました。国によって(絵など)特徴があり、大変おもしろかったです。若い人たちの可能性に、こちらも気持ちが前向きになりました。ありがとうございました。(40代 女性)
●レベルの高さ、感性の豊かさに驚き!
レベルの高さ、感性の豊かさに驚きました。見ていて飽きない作品がたくさんあり、長居してしまいました。このような作品展があれば、是非また来たいと思いました。(20代 女性)