第三幕第一場
表道りに面した 旅籠屋ガーター亭の前
川へ投げ込まれたファルスタッフが、ずぶ濡れになって戻ってくる。
グレゴリー・ユーリシッチ氏
熱燗片手に「この世は酷すぎる!」と愚痴っているところへ、アリーチェからのわび状を携えたクイックリー夫人が、再びやってくる。その文に綴られていたのは、「騒動のお詫びに、鎮守の社で密かにお会いしたい」というもの。もちろん、これもファルスタッフ懲らしめ計画の一環。ファルスタッフの鼻の下が再び長くなる。
第三幕第二場
あまたの魂が集うと信じられている 闇夜の鎮守の杜
お社のご神体の下で、ナンネッタを愛するフェントンが恋心を歌う。そのフェントンは、僧侶に変装し、ファルスタッフ懲らしめ計画の準備が進められる。
そこへ、鹿の角をつけて仮装したファルスタッフが現れる。
ファルスタッフは、霊を目にしたものは命を取られるという、迷信を信じてるので怯えている。そんなファルスタッフを、扮装した皆がチクリ、チクリと攻め立てる。
一方フォードは、この騒ぎに乗じて、娘ナンネッタと医師カイウスの婚礼を取り行なおうとするが、こちらもアリーチェの計画の下に失敗。ナンネッタは晴れてフェントンと結ばれる。
ヴェルディが私たちに用意したプレゼント。「人生は喜劇、人間はみな道化!」と歌い、幕を閉じる。
深見東州のアイディアで作られた、ユーモアたっぷりの緞帳。このオペラの見せ場の一つでもある、ファルスタッフが川に投げ込まれ、流されているシーンをデザインしたもの。
幕の中は、春画をとりいれたデザイン。「大江戸版 好色男のファルスタッフ」にふさわしく、江戸時代に流行した性風俗を描いた浮世絵が装飾されている。