第二幕第一場
旅籠屋ガーター亭
ピストラとバルドルフォは悔い改めた振りをし、ファルスタッフの元へ戻ってくる。
そこへクイックリー夫人が現れ、恋文に感動したアリーチェとメグが、各々会いたがっているとうそぶく。ファルスタッフは、有頂天になる。
フォードは、偽名フォンターナと名乗り、大金と銘酒を持って現れ、ファルスタッフに、自分に代わって妻アリーチェを口説いて欲しいと申し出る。
あの奥方は、ご主人を裏切ったことはなく、何とも厄介な美徳があるとファルスタッフに伝え、「私に触るとやけどするわよ」と、フォードはファルセットで歌い、アリーチェのまねをする。
フォンターナがフォードだと知らずに、ファルスタッフは「女房を寝とってやるからな」と歌い、「奴は去勢されたブタだ」とフォードのことを罵り、去勢を意識するしぐさをする。
逢い引き現場の取り押さえ計画があるとも知らず、ファルスタッフは、意気揚々とフォンターナと肩を並べ出かけて行く。
第二幕第二場
川辺りにお座敷を設けた フォード家の屋敷
アリーチェとメグのもとへ、ファルスタッフをうまく誘い出したと、クイックリー夫人が満面の笑みで戻ってくる。
いよいよ、ご満悦な表情のファルスタッフが登場。アリーチェを口説こうとしたところへメグが来ると、クイックリー夫人が慌ただしく現れ、ファルスタッフはついたての後ろに隠れることを余儀なくされる。
かと思いきや、今度はフォードが、岡っ引きや町火消らを引き連れ、ファルスタッフを捕まえようと乗り込んでくる。今度は、パンダ顔のタヌキの置物風洗濯籠に隠れることを余儀なくされる。女たちも、予定外の出来事に青くなる。
一方、フェントンとナンネッタは、大人たちが繰り広げる騒動を尻目に、寸暇を惜しんで愛を囁きあう。
フォードとアリーチェたちが企てた、別々の計画が入り乱れる中、かくまわれたはずのファルスタッフは、女たちの計画通り、川へと運ばれてしまう。
哀れにも川へ投げ込まれてしまった、ファルスタッフ。人々の嘲りにされてしまう。