第3幕
テノールが歌う最も有名な曲のひとつ「女心の歌」。
サングラスをしたマントヴァが歌う。
スパラフチーレの宿を訪れたマントヴァは、その妹マッダレーナまで口説こうとする。マッダレーナ(イリアナ・ボドラナス氏)
リゴレットはジルダに公爵の実像を見せて、諦めさせようとする。
この後、リゴレット、ジルダ、マントヴァ、マッダレーナの4人による、それぞれの心情を歌った四重唱が歌われる。「リゴレットの四重唱」と呼ばれ、重唱の中の最高傑作と言われている作品である。
スパラフチーレにマントヴァ殺しを依頼するリゴレット。
スパラフチーレは、マントヴァの隙を窺う。
マントヴァにほれたマッダレーナは、マントヴァを殺さないでと兄に願う。スパラフチーレは、「真夜中までに宿泊客が来たら身代わりにしよう」と決める。
父の命令に背き、ジルダは公爵の身を心配して舞い戻る。そこで、公爵殺しの話を聞き、自らが身代わりになることを決心する。
ジルダ、マントヴァ、マッダレーナの3人による、緊迫した三重唱が歌われる。
嵐のシーン。このあと、ジルダは2人に殺される。
スパラフチーレから、公爵の死体の入った袋を受け取ったリゴレット。重苦しい独白のあと、復讐の喜びに震える。
しかし、あろうことか、その時マントヴァの「女心の歌」を歌う声が......
愕然としたリゴレットが、袋を開けるとなんと、そこには命より大切な娘ジルダが......。悲痛な叫びに、観客は涙にむせび泣く。
ジルダは、愛する公爵に対する許しを請い、「天国のお母様のそばで祈ります」と歌う。
救いようのない結末も、日本文化で咀嚼すると必ず救いがあるはず......。
深見東州の情熱は、全く新しい結末を生んだ。鳥かごから抜け出して、自由になった小鳥のように。まるで、月の世界に帰っていくような、幻想的なラストシーンが生まれたのである。
「あの呪いだー」。悲痛な叫びで幕が下りる。この瞬間、怒濤のごとく大きな拍手が、客席だけでなく、舞台上からも起こった。
終演後、出演者、スタッフとともに。
「一回で終わるのは本当にもったいない......。」
観客はもちろん、出演者もそう思った新しいリゴレット。
そのリゴレットを、見事に演じ切った深見東州に、出演者からも大きな拍手が送られた。