オペラ

オペラ リゴレット in ジャパン

第2幕

「ほほにかかる涙が......」
 ジルダが誘拐されたと知り、彼女の身を心配して歌う。この歌は、公爵が真の愛情を持っているとしか思えない一面を垣間見せる。

 左から、ボルサ、チェプラーノ(斉木健詞氏)、マルッロ。ジルダを誘拐したのが、自分の廷臣たちと知り、いつもの好色漢に戻るマントヴァ。

「ラ、ラ、ラ」軽やかではあるが、弦が悲痛に響く前奏にのって、完璧な狂言師の所作でリゴレットが現れる。そして、ジルダの行方を知ろうと、道化を演じて様子を窺う。
 リゴレットは「俺の娘だ!!娘を返せ」と叫び、名アリア「悪魔め、鬼め」を歌う。

 リゴレットのアリア「悪魔め、鬼め」。
 娘を返せと怒り、呪い、最後は廷臣たちに懇願して歌われる。
 強烈な劇的表現力と完璧な発声、美しい声、高いところから低い音まで響く声、そしてスタミナが要求される名アリア。写真からもわかる、その表現力と歌声に、全観客は鳥肌が立ち、真に感動した。
 6キロ以上の衣裳をつけ、最後は正座して歌う。この歌い方は、リゴレット史上初めてである。頭についた風車が揺れ、かえって涙を誘った。

 奥の部屋より走り出てきたジルダは、すでに、マントヴァの慰み者になったあとだった。

リゴレットは、廷臣たちの退出を懇願する。

 2人きりになった父娘。ジルダは公爵との出会いと愛情をリゴレットに打ち明ける「いつも日曜に教会(神社)で」を歌う。

 牢獄に連行されるモンテローネが、「公爵には呪いも届かない。悪運の強い奴」と罵って去る。

「いや、復讐は私がしよう」と誓い、「やめて」と懇願するジルダを、憤りながら振り払うリゴレット。

第2幕終幕。
 激情的な二重唱で幕となる。
 ここでは、普通は2人が退場するだけの場面であるが、深見東州は、この幕 切れで、能の決意を表す型を決め、一枚の絵のような、素晴らしい幕切れとなった。